福祉タクシー3台に 2個人事業者が参入
電動リフトやスロープのついた専用車両を使って車イス利用者ら障がい者に限定して有償運送を行う福祉タクシー事業に、石垣市内で9月から新たに個人2業者が参入している。個人運行は福祉タクシーは初めて。県ハイヤー・タクシー協会八重山支部(伊良皆高司支部長)によると、業界ではこれまで福祉タクシーはあずまタクシーの1台だった。3台に増えたことで車イス利用者らの利便性向上が期待される。
個人で福祉タクシーを始めたのは介護タクシーやーにんじゅ代表の金城長幸さん(35)と、福祉タクシーおでかけサポートGOGO代表の西銘由紀さん(55)。
金城さんは10年以上、介護現場に従事した経験から街中でのバリアフリーの現状について「福祉輸送が足りていない」と感じていた。西銘さんは身内がけがや病気で車いす生活になったことをきっかけに「高齢者の外出や面会がいかに心と体に大切かを思い知った」という。
2人とも普通自動車二種免許を取得し、沖縄総合事務局から運送事業の許可を受け、9月から運送を行っている。開始時期が偶然に一致したが、「互いに補完し、連携できるので強みになる」と口をそろえる。
介護福祉士の資格を持つ金城代表は「これまでの経験を生かし、石垣市民の皆さんに手助けができるよう頑張っていきたい。家族の一員としてサポートしていきたい」、介護職員初任者研修を修了している西銘さんは「福祉の仕事は初めてだが、真心を込めて外出のお手伝いをしたい。娘やお嫁さんと外出するような感覚で利用していただけたらうれしい」と話している。
伊良皆支部長は「業界としても問題はなく、市民にとっていいことだと思う」と歓迎、「観光客にも体の不自由な方がおられるので互いにタイアップできるのではないか」とサービス向上に期待する。
福祉タクシーは後部座席に車イス利用者のほか助手席に1人同乗できる。完全予約制で時間制運賃30分2200円などとなっている。問い合わせ・申し込みは「やーにんじゅ」(090・6858・2923)、おでかけサポートGOGO(090・5398・5995)か公式ラインで。
関連するニュース
- タクシー配車アプリ始動 2024/09/02
- 新たな福祉計画策定へ 市障がい者自立支援協議会 2023/10/31
- 乗務員確保へ補助金 入社10万円、雇用2万円 2023/08/25
- タクシー初乗り500円 7年ぶり改定 2023/08/15
- タクシー初乗り500円に 離島地区運賃改定 2023/07/17
- タクシー運賃上げ申請 市内2社、物価高など受け 2023/01/08
- コロナ禍で行き場失う タクシー、収入8割減も 2021/02/07
- タクシーと離島航路値上げ 来月の消費増税で運賃改定 2019/09/03
- 多彩なイベントに大勢の市民 障がい福祉に関心高まる 2011/12/05
- 乗務員の指導徹底を 県タクシー協会支部 2011/05/19