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西表大見謝に電波塔

電波不感地帯となっている大見謝川周辺。電波塔3基の建設が予定されている=2022年10月25日撮影

電波不感地帯となっている大見謝川周辺。電波塔3基の建設が予定されている=2022年10月25日撮影

国が予算確保、不感地帯解消へ

 電波不感地帯となっている西表島高那の大見謝ロードパーク周辺に電波塔3基を建設する計画があることが18日、分かった。竹富町によると総事業費は3億400万円で総務省が整備に向けた予算を確保している。整備されれば県道215号線沿いの電波不感は解消されることになる。9月定例町議会で﨑枝裕次氏が取り上げた。

 DX課によると、「携帯電話等エリア整備事業」として国が4分の3(2億2800万円)、県が10分の1(3040万円)、町が15分の1(2027万円)、キャリア4社が12分の1(2533万円)を負担する計画。

 町は現在電波塔を建てる土地の選定を行っており、賃借または土地取得など、めどがつけば同事業の交付申請にとりかかる。

 同課によると、前泊正人町長はことし3月に東京へ出向き、エリア整備に向けた予算措置などを国に要請。その後沖縄総合通信事務所が町役場でヒアリングを行い、7月に整備事業の内容がまとまった。

 マングローブ林が広がる大見謝川はカヌーやキャニオニングが行える人気観光地だが周辺地区約4㌔で圏外となり、緊急時に電話が使えないことが長年問題視されてきた。22年9月には観光客の男性が溺死する事故が発生し、家族が通報しようとした際、電波がつながらず時間を要した事例が起きていた。

 20年6月から21年3月までキャリア3社が県道沿いを中心に現地調査を実施したものの、その後の進展はなく、イニシャルコストで約4300万円、年間350万円の維持費もかかるなどコスト高がネックとなっていた。

 﨑枝氏の一般質問で前泊町長は「国へ直接要請に行き、3億円あまりの予算をつけていただいた。事業化に向け細かい調整を進めている。不感地帯エリアについては解消できるものと考えている」と述べた。

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