厳かに川平村結願祭
鍬を使ったカニパ棒を演武する演者ら=15日午後、群星御嶽
約500年前から伝えられている伝統の獅子舞。八重山で最古といわれている=15日午後、群星御嶽
結願祭で最も大切にされている舞踊「川平鶴亀節」=15日午後、群星御嶽
芋掘りを題材にした川平独特のアッコンプル狂言。男女の滑稽なやりとりに会場も沸いた=15日午後、群星御嶽
農作物の収穫をすべて終えたことに感謝し、来年の豊作と住民の健康などを祈願する川平地区最大の神事・川平村結願祭(川平公民館主催)が15日午後、群星御嶽で執り行われた。演者らが川平村に伝わる多彩な伝統芸能を奉納し、村の繁栄を願った。会場には多くの地域住民や観光客が訪れ、熱のこもった演武や舞踊に盛大な拍手を送った。
結願祭は太鼓や獅子舞、棒術を境内で行う前半と舞踊や狂言を舞台で披露する後半の二部構成で行われた。前半は神が鎮座する「ウブ」の前に出演者全員で拝礼した後、年配女性らが歌う「与那覇節」に乗せて弥勒神が登場。境内を1周する総踊りを行った。
座を清める「座見舞い」の後、本舞で太鼓や棒、獅子舞などを奉納。川平小中からは小学1年生から中学3年生までが出演し、双手と片手の舞を見せた。棒では刀棒や六尺棒、三人棒、エーク棒、鎌棒、カニパ棒など10組が「ひやー」と迫力ある声で気合を入れ、勇壮に演武した。
後半は初番に始まり、御前風、川平鶴亀節、瓦屋節、かしかきなどの舞踊が披露された。男女による芋掘りを題材にした川平独特のアッコンプル狂言で滑稽な動作と問答が方言で繰り広げられると会場は笑いに包まれた。
六尺棒を務めた仲底正樹さん(34)は「村の世果報を願いながら演武できた。畜産では子牛の生り繁昌とセリ価格の上昇が願い。サトウキビはイネヨトウなどの害虫に負けず成長してほしい」と話した。
昨年に続き獅子舞を披露した玉城隆さん(31)は「先輩たちの教えを守り、気持ちを込めてまわした。今後も村の伝統を引き継いで次の世代につないでいける人間になりたい」と思いを新たにした。
髙嶺英康公民館長はあいさつで「川平村の歴史は古く、豊かな伝統文化は先人たちの培った大切な文化遺産。子々孫々まで継承していくことが川平村の発展につながる」と述べた。
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