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石垣市大川出身の石垣直氏が2日、沖縄国際大学の…

 石垣市大川出身の石垣直氏が2日、沖縄国際大学の学生を引率して台湾大学図書館を訪れるというので、同行取材した(13日付本紙9面)。台湾の図書館が沖縄関係資料を収蔵することは珍しくないが、我部政男氏が同図書館に寄贈した資料計3万冊というのは異例の規模だ▼近代沖縄史を研究してきた我部氏の蔵書は日本国内で、できれば沖縄で活用してほしいという声がある。筆者自身、寄贈について取材しながら釈然としない思いを抱いていた▼一方で、沖縄や日本の文教政策には限界も感じる。県立図書館八重山分館が姿を消したことを思うと、学者の蔵書をどう活用するかについて考える余力はないのではないか▼積極的に海外で活用してもらうという代替案は、頭の片隅に置いておいていいのかもしれない。「外」からの眼差しは、思いがけない見方をもたらしうる▼石垣氏の引率で台湾大学図書館を訪れた学生はほとんどが初の台湾訪問。書棚から手に取った本をめくりつつ、1時間ほどの滞在時間を静かに過ごした▼よそへ出ることをきっかけに、自分の立ち位置を見つめ直したり、関心の及ばなかったテーマに出合ったりすることはある。「沖縄の資料は沖縄で」という理念を保ちつつ、海外で沖縄関係資料を充実させる実践の意義も確かにある。(松田良孝)

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