木々に覆われた未舗装の道を400㍍余り進むと…
- 2024年09月14日
- 不連続線
木々に覆われた未舗装の道を400㍍余り進むと、開けた空間に出る。一面芝生の緑のじゅうたん。あちこちに石積。大浜地区にある国指定史跡「フルスト原遺跡」である。久しぶりに行った▼進入路で国指定天然記念物のセマルハコガメに会った。ちょうど雨が降った後だったので出てきたのだろう。遺跡周辺には自然が残されており、ほかにカンムリワシやオカヤドカリもときどき観察できるという▼芝生の広場で車を降りると、鳥のさえずり、ヒグラシの鳴き声。周囲は樹木が立ち並んで木陰をつくり、その奥はうっそうとしている。名前は分からないが、亜熱帯の植物も多いとか▼遺跡は標高20~25㍍の丘陵にある。石積は屋敷囲いのもの。ここに集落があり、13~16世紀に利用された。15基の石積が確認されているが、現在まで7基が復元されている。生活用品や装飾品が出土しており、12~13世紀に中国で製造された銅鏡で飾りに転用された「六花鏡片垂飾(ろっかきょうへんたれかざり)」も。県内での出土例が少ないとか▼以上、遺跡の自然・歴史に関する記述は、新しく設置された説明板を参考にした▼行く度に異空間を感じる。眼下に大浜海岸を眺望できる場所もある。これから涼しくなる。親子でのピクニックにもうってつけ。(比嘉盛友)
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