八重山毎日新聞社

　月給200万円もある知人の営業マンが那覇を訪れた時のこと。久茂地の街を歩きながら、いくつかの店舗が入居する複合ビルに入ろうとした▼しかし、ビルの前には車が雑に停められていて、入り口もせまく人が通りにくい。すると車の運転席から男性が降りて、ビルから出てきた女性に何かを手渡していった▼営業マンは女性に「このビルで人気の飲食店はどこですか？」とたずね、立ち話をしたところ「この女性は金持ちだ」と確信を持った▼車の男性と女性は夫婦で、女性はビルのオーナーと推測。だから、ビルの正面に車を停められるのだろう。女性の方は建物内にある歯科医の関係者とも予想、話し方からも生活に余裕を感じたそうだ。さすが営業の達人、観察力が半端じゃない▼さて、私は営業について詳しく知らないが、ざっくり分類すると「ルート営業」と「飛び込み営業」というものがある。ルート営業は先輩が開拓した顧客を回るスタイルで、飛び込み営業は見知らぬ事業所に行って営業するため、度胸がいる▼街を歩いて金回りの良さげな経営者を見つけ、時間があれば、なにげなく会話する。何度か会ったあと「困りごとを解消する」といった姿勢で、さらっと商品を紹介する。これができると飛び込み営業は楽しくなるかもしれない。（玉津盛昭）