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台湾出身の曽根春子さんが台湾の旧盆行事に…

 台湾出身の曽根春子さん(83)=石垣市平得=が台湾の旧盆行事に参加するというので、同行したところ、航海安全の神、媽祖と接する機会があった。10世紀末に福建で生まれた実在の人物を神として拝むようになったのが媽祖である▼訪れた廟では、信徒に乗り移ったとされる媽祖が、さまざまな役割を果たしていた(3日付本紙9面)。筆者も、地元の人たちとともに順番待ちをして、託宣を授かった▼媽祖の前に進み、向かい合うように立つ。続いて、促されるままに回れ右をした。すると、腰の右側の辺りをぐいぐいと突かれた。脇のテーブルには、薬師如来が鎮座し、漢方薬入りの小さなおわんがずらり。媽祖はそのひとつを指し示し、筆者は側仕えの人の言うままに飲んだ。いかにも効きそうな風味だ▼曽根さんは「腰が痛いんじゃない? だから、媽祖が腰を突いたんだよ」と講釈してくれた。姿勢が良くないためか、腰にくることはある。媽祖が突いた場所が、確かにそうだ▼台湾では、神様がリアルな姿でたびたび現れる。何度もびっくりしているうちに慣れてしまい、最近では、おろそかにするのが申し訳ないような気になっている▼腰はたまに痛む。漢方は、用心しなさいという託宣を身にしみ込ませるためのものだったと、今ならそう思える。(松田良孝)

 

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