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奄美大島でマングースの根絶に成功したと…

 奄美大島でマングースの根絶に成功したと環境省が発表した。同島のマングースは1979年ごろに沖縄から約30頭が持ち込まれたのが最初。それが定着し、個体数を増やすことで農作物や在来生物に被害を及ぼすようになった▼いまでこそ外来種の影響の大きさが認知されているが、当時はそこまでの知見は専門家にもなかった。特定外来生物のオオヒキガエルは77年に害虫駆除を目的に石垣島に導入。本紙もその効果に期待を込めて好意的に報道している▼琵琶湖で漁業に深刻な被害を与えているブルーギルは50年以上前に魚類学者でもある上皇さまが米国から持ち帰ったもの。2007年に開催された「全国豊かな海づくり大会」の式典で、在来魚を減らすほどの異常事態に「心を痛めています」と後悔の思いを明かした▼生物多様性はわれわれの生活の基盤。国も「生物多様性国家戦略」を策定し、予防を原則として外来種問題に取り組む姿勢を明確化。05年には、国民生活の向上を目的に特定外来生物法を施行した▼マングース根絶は西表島のシロアゴガエル根絶と並び、世界的にも例を見ない成功事例となった。外来種は一度入ると駆除には膨大な時間と費用がかかる▼飼えなくなったといって屋外に生き物を放すことは、人類にとって非常に罪深いことなのだ。(立松聖久)

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