市、検証委を設置
原因究明、再発防止へ
放課後児童クラブで今年4月に小学4生の男子児童がおやつのマシュマロをのどに詰まらせて窒息し、意識不明となる事故が発生したのを受け、石垣市は29日、医師や弁護士、学識経験者、教育・保育関係者でつくる重大事故検証委員会(委員長・浦崎武琉球大学大学院教育学研究科教授、5人)を設置した。11月までに4回を予定。年内には報告書をまとめ、市のウェブサイトなどで公表する。
事故は4月22日午後に発生。児童が座ってマシュマロを食べていたとき、のどに詰まらせた。苦しそうにしているところを近くの職員が発見。別の職員もかけつけ、背中をたたくなどしてマシュマロを取り出したものの意識不明の状態に陥った。
児童は7月下旬に退院したものの、体調面で懸念があることからまだ復学には至っていない。
市では、事故直後から同クラブスタッフや関係者を対象に聞き取り調査を実施。子育て支援課によると、同クラブでは安全計画が策定されており、当日の人員体制などにも問題はなかったという。
この日、市役所で開かれた第1回の会議では、事務局の子育て支援課が事故の概要などを説明。委員からは、スタッフの経験年数など運営体制の詳細や学童の日ごろの様子などについての聞き取り調査や気道異物除去に関する講習会の開催などの必要性が指摘された。
市では事故発生後、市内の児童クラブスタッフを対象に救命法講習会を開催した。今回の事故を受けてこども家庭庁は、安全管理についての文書を全国の自治体を通して放課後児童クラブに通知。安全計画の策定や安全管理の徹底を呼びかけている。
会議の前に行われた委嘱状交付で中山義隆市長は「事実関係の把握、発生原因の分析を行い、再発防止のために必要な改善策の検討を目的としている。それぞれの立場からの意見、提言をいただき、再発防止と今後の放課後児童クラブの安心安全の実現に力添えを」と協力を求めた。
浦崎委員長は「今回の事故は二度とあってはいけない命に関わるものだった。しっかりと検証し、子どもたちの健全な育成に還元していきたい」と述べた。
委員は浦崎委員長のほか県学童・保育支援センター理事長の上原健二氏(副委員長)、よしもとこどもクリニック医師の吉本栄司氏、共知総合法律事務所弁護士の久貝克弘氏、県南部療育医療センター医療型児童発達支援センター「わかたけ」の仲程桂子氏。
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