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石垣市宮良の畜産農家の女性が17年続けて…

 石垣市宮良の畜産農家の女性が17年続けてきた肉用牛の生産を9月のセリ出荷を最後に止めるという。(8月10日付1面)▼廃業の理由は人手不足。従業員を雇って25頭ほどの母牛で畜産経営を続けてきたが、辞めた従業員の代わりが見つからず、1人で続けるのには限界があることから、やむなく廃業を決めたという▼新型コロナによる牛肉消費の低迷を背景に、子牛のセリ価格の暴落に円安による飼料などの高騰が追い打ちをかけ、畜産業界は厳しい経営を強いられている▼八重山公共職業安定所によると、6月ごろから畜産業を止め、他の仕事を求める人や、これまで無かった畜産業での求人が増えてきている、という。畜産の現場に人手不足という新たな課題も浮上しているようだ▼コロナで停滞していた経済が急激に動き出したことで人手不足が深刻化し、人手を確保するため、賃金の上昇が続いている。セリ価格低迷で、経営が厳しい畜産業では、上昇を続ける賃金に対応できていない現状があるのかもしれない▼牛価低迷に人手不足が加われば、規模を縮小する農家も増えてきそうだ。その流れが加速すれば畜産業界の衰退へとつながりかねない。これまでもセリ価格は上下動を繰り返してきた。いずれ価格が持ち直す日がくる。今は我慢の時だ。(下野宏一)

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