包括的管理計画改定へ
- 2024年08月21日
- 自然・科学
世界自然遺産登録地の西表島の保全などを実現するための管理・モニタリング計画や観光に関する構想や制度などについて話し合う2024年度第1回西表島部会が20日、中野わいわいホールでオンライン開催された。5年ごとに見直される環境省の包括的管理計画の改定の方針が報告されたほか、環境を守るための西表島行動計画が承認された。
会議には行政機関や西表島各地区の住民代表者、西表財団、環境保護団体、ダイビング、エコツアー事業者、竹富町商工会など関係団体の担当者が参加した。
環境省の奄美・沖縄世界自然遺産包括的管理計画は、国や県、町の管理機関が関係者と緊密な連携・協力を図ることで自然環境の保全管理を円滑に進めるためのもので前回改定が2018年。
モニタリング計画は2019年に策定され、遺産地域の管理の一環として自然環境や人為的活動などのモニタリングの基本的な考え方や調査項目・内容、評価結果を管理に反映する手順などを定めている。
今年度中の改定を目指す計画では、モニタリング計画を包括的管理計画に統合するとともに、計画全体のスリム化や管理目標の見直し、保全状況報告の反映などを行う予定。モニタリングには新たな評価指針を設定。希少ネズミ類や植物の生息・生育状況、ノヤギの生息状況、観光客や住民の意識調査、観光利用地近くの植生・水質調査などを盛り込む方針だ。
今後は科学委員へのヒアリングを通して改定案を作成。12月下旬の科学委員会に提示したのち、地域連絡会議での合意を得て2月ごろには確定する。
一方、承認されたは西表島行動計画は、遺産地域の保護制度運用や外来種による影響の排除・低減、希少種への人為的影響の防止、適切な観光管理の実現などの事業を盛り込んでいる。
会議では今年度から始まった県の「世界自然遺産地域活動支援事業補助金」やグッドプラクティス選定・支援制度などの説明も行われた。
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