島挙げてムシャーマ 波照間 旧盆中日の先祖供養
【波照間】先祖供養や住民の無病息災、豊作、豊漁を祈願する「ムシャーマ」が旧盆中日の17日、島を挙げて盛大に行われた。弥勒(ミルク)を先頭にした仮装行列「ミチサネ」のほかニンブチャー(念仏踊り)、棒(ボー)、太鼓(テーク)、舞踊など多彩な芸能を奉納し、島民と郷友が総出で島最大の伝統行事を盛り上げた。(3面に写真特集)
波照間公民館で午前9時にドラが打ち鳴らされると、西組(冨嘉、名石集落)、東組(北、南集落)、前組(前集落)の順でミチサネがスタート。ミルクを先頭に各集落を出発し、マミドーマや精米作業を表現した稲摺り(イニシリ)、豊漁を意味する魚釣りなどが列をなして集落内を練り歩いた。
公民館前の庭では各組による棒と太鼓の演舞が行われ、午前の部の最後には先祖に感謝し供養するニンブチャーが盛大に繰り広げられ、棒や太鼓に出演したシンカと公民館役員らで大きな輪を作って踊った。
午後からは公民館広場に設けられた舞台で各組が舞踊や狂言などを演じた。西組はかぎやで風や一番コンギ、東組は五月雨節、コームッサーなどを披露。前組は伝統舞踊「かしかき」を21年ぶりに復活させた。
最後はシーシン棒によって各組の獅子舞計6頭がおびき寄せられ、公民館前の庭に登場。見物客や子どもの頭をかんで無病息災を祈願した。
前組でかしかきを踊った前新城沙耶花さんは「昔踊っていたおばあたちが思い出して泣いている姿を見てやってよかったなと思った」と感慨深げに語り、「前部落にはまだまだ昔の踊りがあるので今後も復活できたら」と笑顔を見せた。
仲底善章館長は「昨夜の大雨でどうなるかと思ったがいい形で開催できた」と安堵する一方、「年々島民が減り、これまで通り各村で行うには大変厳しい状況にある。何百年も祭りを守り続けるのは大変なことだが、郷友会の協力などを得ながら改革していけたら」と語った。
石垣在波照間郷友会の金嶺一彦会長は「歴史あるムシャーマが末永く続いていくよう郷友会としても後押ししていきたい」と話した。前泊正人町長もあいさつを行った。
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