郡内各地で旧盆入り
先祖の霊を供養する旧盆(ソーロン)が16日(旧暦7月13日)、郡内各地で始まり、仏壇のある家庭ではンカイ(精霊迎え)で先祖の霊を迎え入れた。目印となる灯籠やちょうちん、つえ(グサン)となるサトウキビのほか、仏壇には果物、菓子などがところ狭しと飾られ、家族そろって手を合わせて祖先へ感謝し、子孫繁栄を願った。18日までの旧盆期間は三食におやつと食膳を供え、それぞれの家庭で盛大にもてなすほか、郡内各地ではアンガマやエイサー、白保では獅子舞が招かれた家々を回る。中日の17日には波照間島では伝統のムシャーマが行われる。
このうち石垣市大川の金城盛正さん(75)宅では正午前に線香を手向け、祖先を自宅に案内。長男の功師さん(53)一家など親子四世代9人が集い、仏前に線香を立てながら「家族皆の健康を見守ってください」と願った。
金城さんは「皆でにぎやかに迎えることができてうれしい。家族繁栄は私の両親の願いだった。きっと喜んでくれていると思う」と思いをはせた。旧盆期間は普段離れている子や孫の成長を間近でみられる「特別な時間」だといい、「10月末にはひ孫がもう1人増える予定。全員が健康でいてくれたら」と笑顔を見せた。
夜には大川青年会によるアンガマが7年ぶりに来訪。午後に帰省した孫夫妻など親族総勢約30人が集結するなど大いににぎわった。
旧盆の帰省は2年ぶりという海保千遥さん(30)=千葉県在住=は「島の文化を誇りに感じる。内地は便利で最新なものに目を向けがちだけど沖縄に帰ると人への思いやりや優しさを感じることができる」と話し、「これからもできるだけ旧盆は家族皆で帰ってきたい」と語った。
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