公民・育鵬社を不採択
- 2024年08月16日
- 地域・教育
石垣市と与那国町の両教育委員会は15日、臨時会を開き、来年度から中学校で使用される教科書(10教科16種類)を八重山採択地区協議会(会長・﨑山晃教育長、委員8人)の答申通り採択した。社会科公民の教科書は13年間使用していた「育鵬社」が不採択となり、「日本文教」に変わった。育鵬社を巡っては国家主義的な色彩が濃いとして市民団体などから反発もあった。歴史は引き続き帝国書院を採用する。採択された教科書は25年度から4年間使用される。(9面に関連)
公民は東京書籍、教育出版、帝国書院、日本文教、自由社、育鵬社の6社について9日の協議会で会長を除く7人で審議した結果、無記名投票で日本文教5人、帝国書院2人だった。
市教委の臨時会で、事務局の上原太郎学校教育課長は日文の選定理由について「単元の最初にQRコードが掲載される」として電子コンテンツが充実している点などを挙げた。
臨時会後、﨑山教育長は日文の公民教科書について▽領土問題に関する記載の分かりやすさ▽憲法改正に関する国民投票の手続き手順の図式化▽憲法9条に対する国民への意識調査―などの掲載があるとし、双方の意見を含んだ内容であることも選定理由の一つになったと説明した。
教科書採択を巡っては、市民団体が「選定会議の公開」などを求める声明を出していた。
公民教科書を巡っては2011年、竹富町を含む八重山採択地区協議会が育鵬社を選定したが、竹富町教育委員会は別の東京書籍を採択し、その後、採択地区から分離。石垣市と与那国町の構成となった採択地区は11年、15年、19年、20年の計4回にわたって育鵬社を選定、両教育委員会で採択されていた。全国的にみると育鵬社の20年度採択率はわずか0・4%だった。
採択協議会は石垣市と与那国町から教育長2人、学識経験者2人、保護者代表1人、教育委員3人の計8人で構成。13日に各教育委員会に選定結果を答申していた。
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