八重山毎日新聞社

　先日、小浜島で自転車に原動機を付けた「特定小型原動機付き自転車」で死亡事故が発生した。八重山署によると、観光で訪れた男性が何らかの理由で転倒し、頭部を打ったようだ。ヘルメットは着用していなかったという▼特定小型原動機付き自転車は、道路交通法の改正で昨年7月1日から新たな交通ルールが適用され、運転免許が不要で、最高速度は時速20㌔以下と定められた。ヘルメットの着用は努力義務だ▼自転車に原動機を付けた物や、電動キックボード、それにサドルを付けた形状の物などが、その対象車種となる。ネット通販などでも販売され、運転免許が不要で満16歳以上であれば誰でも運転できることから気軽な乗り物として普及し、石垣市内などでもちらほら見かけるようになった▼だが、車輪が小さく、ちょっとした段差や障害物などでバランスを崩しやすく、衝突や転倒した場合に運転者を守る物がないだけに危険も伴う。この状態でヘルメットの着用が努力義務となっていることに違和感を覚える▼時速20㌔とはどれくらいのスピードなのか。調べてみると男子マラソンの世界記録並み。普通にこぐ自転車よりも速い▼今後、八重山でも個人利用、観光利用の増加が予想される。利用する祭にはくれぐれもヘルメット着用を。（下野宏一）