未同定天体を観測
- 2024年08月10日
- 地域・教育
地元3人を含む高校生24人が参加して開催された美ら星研究体験隊(自然科学研究機構国立天文台主催)は9日、県立石垣青少年の家で2泊3日の研究成果を発表した。石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡(口径105㌢)で小惑星を探索したむりかぶし班(9人)で三夜にわたって未同定天体が観測された。8日に国際天文学連合の小惑星センターへ発見時刻や位置情報、データなどを報告、天体が未発見だった場合は正確な軌道が決定すれば命名権が与えられる。
天文学者と同じ研究体験を通し、高校生に最先端の科学を身近に感じてもらうことが目的。電波望遠鏡を使う「VERA(ベラ)」班と石垣島天文台の光学赤外線望遠鏡を使う「むりかぶし班」に分かれ、新しい電波星や小惑星の発見を目指した。
実施期間の7日~9日は観測に適さない天候が予想されていたため、職員が事前に2夜分の観測データを取得。実施日も観測可能な天候だったため追観測を行い、うち一つの天体が三夜続けて発見された。
VERA班は、3グループに分かれて観測を実施。各班で十数個の天体を観測したが、星生成領域などで検出されるH2Oメーザーは観測されなかった。
発表では「今回は発見できなかったが、観測されたデータを考察することで次回以降の研究で役立てることができる」などと観測の意義を強調した。
成果発表後は未来博士号と題した修了証を一人一人に授与。参加した高校生からは「20㍍級の望遠鏡を自分で動かしたりできてうれしかった」、「天文が大好きという人たちに囲まれて3日間過ごせてよかった」などの感想があった。
3年連続で参加した八重山高校の石垣咲季さん(17)には特製の皆勤賞と題した未来博士号(修了証)が手渡された。石垣さんは「県外の人と関わる機会は少ないので、美ら研を通して広い世界を教えてくれた。宇宙に触れて勉強する意味や楽しさが分かった。将来は研究者になりたい」と胸を高鳴らせた。
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