世界平和願い、鐘高らかに
広島に原爆が投下された時刻に合わせて世界各地の寺院や教会などにある鐘を打ち鳴らして「戦争の終結」と「核廃絶」を訴える「ユニバーサル・ピース・デイ」の呼応鐘打(世界平和の鐘の会沖縄県支部主催)が6日、石垣市新栄公園にある平和の鐘鐘楼で行われた。支部会員と石垣市の部課長ら20人余りが参列し、世界の恒久平和を願って高らかに鐘を響かせた。
石垣市内でも同日午前8時15分、サイレンが吹鳴され、呼応鐘打式では参列者全員が原爆投下による犠牲者に黙とうをささげた。
県支部の大松宏昭支部長はあいさつで「原爆による犠牲者は13万人にも上り、79年が経過した現在も後遺症で亡くなられた方や放射線障害の生活に苦しんでいる方がいる。今なお残っている爪痕に原爆がもたらす悲惨さ、恐ろしさを改めて感じる」と述べた。
その上で中東地域での紛争激化やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、北朝鮮による核・ミサイル開発などに触れ、「核廃絶を訴える被爆地の願いはいまだに達成していないのが現状。だからこそ、本支部の基本理念である世界恒久平和確立を目指し、これからも世界に向けて平和の心を発信していかければならない」と決意を新たにした。
石垣市は、広島市の平和記念公園で同日午前8時から行われた「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)に、「平和を考える作文」の上位入賞者2人を平和大使として派遣している。
中山義隆市長に代わって知念永一郎副市長が「本市の児童生徒が平和への祈りを込めて折った千羽鶴を奉呈することになっている」と報告、「派遣を通して戦争がもたらす悲惨さや平和の尊さについてさらに深く考える機会につなげ、平和を築く人材育成に努めていく」と述べた。
ユニバーサル・ピース・デイは1984年、ニューヨーク市で始まった。
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