およそ誰もが経験したことのない由々しき事態…
- 2024年08月06日
- 不連続線
およそ誰もが経験したことのない由々しき事態である。「万が一」のさいの九州・山口への避難実施要領と、シェルター整備についての市民意見交換会。戦中の「疎開」の記憶や印象がかぶるだけにさまざまな意見が出た▼「リュック一つ」の機内持ち込み手荷物について、「幼稚園児の遠足じゃあるまいし」との厳しい指摘。市側は「別に送る別送(べっそう)を検討する」と。現実味が実感できない▼自力避難が困難な要配慮者などは船舶避難が原則。ペット同伴希望者も同様。豚、牛など動物については船舶輸送を検討するが避難先の施設など調整が必要で、農家との意見交換会後に検討と▼避難所暮らしへの不安からか否定的な意見が出る。「住み慣れたこの島にいたい」や「私は避難したくない」などである▼中山市長は「市民皆さまには全員島外に避難いただくのが大原則」「残る方を支援するために市職員も残らないといけない」と。次々と手が挙がるが「時間の関係上」。命にかかわるだけに尽くされない議論にもどかしさや不安、疑問が募る▼一方で与那国町の意見交換会では別の見解が示された。避難について「罰則はないが、あくまで法律上は義務」(内閣府参事官)である。戦中の「疎開」により近い印象。市側は分かっていて説明しなかったのか。(慶田盛伸)
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