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国民保護計画に基づく島外への住民避難を…

 国民保護計画に基づく島外への住民避難をめぐる3日付本紙1面の記事を読んでいて、思わずうなった。避難先での生活について、国から「生活に困らないようにすると法律上にも書いてある」との説明があったそうだ▼国民保護法の第3章は、避難した住民への「救援」について定める。住む場所、食べ物、飲み水、生活必需品、医療・助産、被災者の捜索・救出、埋葬・火葬、電話など通信の提供をうたう▼80年前の1944年8月、当時の新聞「海南時報」は台湾への疎開を奨励する記事を載せた。見出しは「不安なく転出しよう」▼戦時下の新聞は政策の遂行を後押しする役目を担った。「転出」、つまり疎開は閣議で決まったことだが、ためらう人がいたので、説得するための記事を掲載したのである▼台湾疎開はその後、リーダー的な立場にあった人たちが率先することで広がっていく。役所がきっかけを用意し、住民レベルの動きが流れを太くしていった点がポイントだ▼果たして不安は台湾で的中したのか。石垣市が40年前に出版した「市民の戦時戦後体験記録」には、台湾疎開を体験した人たちの手記やインタビューが掲載され、一読の価値がある。過去の出来事をそのまま今に当てはめることはできないが、読み直して教訓を探すことはできる。(松田良孝)

 

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