各地域にシェルターを
- 2024年08月04日
- 政治・行政
石垣市は2日夜、「有事」を想定した国民保護計画に基づく住民避難実施要領・特定臨時避難施設(シェルター)整備の意見交換会を伊原間公民館で開いた。市から航空機で島外避難する際、石垣島内の中でも新石垣空港に遠く生活維持が困難になる北部地域、西部地域、冨崎地域の順番で優先的に避難させる方針が示された。地域住民からは「何もない時に避難を始めると相手国は日本が戦争準備をしていると思うのでは」、「避難よりも各地域にシェルターを造ってはどうか」など注文があり、市は出た意見を今後の検討材料として持ち帰った。
市などの計画では1日当たり、航空機を45便運航して最大1万485人、船舶で最大420人程度の計1万905人を九州・山口県に避難させる。避難は最短6日間での完了を見込む。現在、沖縄県による船舶の確保が難航しているため、住民説明会は航空機避難を原則に進行された。
石垣市は、市民や来訪者が円滑に航空機に搭乗して島外避難するため、バスによる島内間の移動手段の確保、一時避難集合場所や住民避難登録センター(市中央運動公園屋内練習場内)を設置する。日本政府が「武力攻撃予測事態」を出すと、市民らは最寄りの小学校等に集合し、市が用意したバスで同センターまで移動。空港内での避難者滞留を回避するため、同センターで事前に搭乗便の座席指定やチケット発券、手荷物を確認。登録後に空港へバス移動する。
航空機に1人当たりが持ち込める荷物は1個に加えて、身の回り品(ハンドバッグなど)1個まで。荷物は縦・横・高さの3辺が115~100㌢以内。重量は10㌔まで。
市は、航空機・船舶を使用して避難計画を実行に移すには▽搭乗前の避難者情報の登録方法・座席登録方法の確立▽島内移動の大型バスとバス運転手の確保▽船舶による輸送が必要な要配慮者の把握・ペット同伴者の把握と、家畜(牛・豚など)避難に関する事項▽一人で移動が困難な要配慮者の属性別の人数把握―などを検討課題に挙げている。家畜の避難は農家と意見交換後に検討するという。
意見交換会で市防災危機管理課の富浜公雄課長は、避難は日本国内でいずれの地域も武力攻撃を受けていないことが「大前提」とし、避難時は「安全が保たれている」と強調した。
参加した市民からは「何も起きていない時に大規模な避難を開始したら、相手国は日本が戦争の準備をしていると思わないか」と指摘。富浜課長は「万が一を考えて避難要領をつくっていく」と取り組みの意義を伝えた。
また、富浜課長は米軍基地が集中し攻撃リスクが高い沖縄本島の住民が屋内待機で、先島地域だけ島外避難する理由を問われ、「沖縄県の考えは、本島に比べて島外避難が困難な先島地域から計画をつくって、ゆくゆくは本島の各市町村でも検討していくようだ」と述べた。
伊原間在住の住民は「何も起きていないのに、果たして皆さん避難するのか。それよりも各地の山にトンネルや地下にシェルターを造ってはどうか」と要望した。
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