八重山毎日新聞社

　久しぶりに東京に行った。電車に乗る。新聞や雑誌、マンガを紙で読む人はほとんどいない。かつては満員でも器用に新聞をＡ4サイズの半分の大きさに折って読んでいる人がいた▼あちこちで外国人が働いていた。沖縄本島もそうだが、東京は顕著のよう。出入国在留管理庁の統計によれば、在留外国人の数は東京が最も多く、全体の約20％を占める66万人余り。働き口が多いのだろう▼沖縄在住者にとって東京は足が棒になるところでもある。つりそうになるくらい歩いた。夜は宿泊先近くの居酒屋へ。たまたま入ったのはギョーザをメインとする店舗だった。外国人と日本人の20、30代くらいの男女が調理や配膳にきびきびと動き、笑顔で接客していた▼料理もさることながら、楽しく働いている様子が強く印象に残った。なので翌晩も訪ねることに。でも前夜の酔いのせいか場所が思い出せない。日中の歩き疲れもあったが、大汗をかきながら探し回ってなんとかたどり着けた▼一斉に「いらっしゃいませ」の声、近寄ってくる店員が「お二人様ですね。昨日と同じ席でよろしいでしょうか」。うれしくなって「はい、お願いします」と即答した▼それから1時間ちょっと、連れと心地よく過ごすことができた。へとへとだったが、癒やされた。（比嘉盛友）