今秋、アジア路線就航めど
- 2024年07月24日
- 社会・経済
4年以上前から国際線定期便が休止している南ぬ島石垣空港国際線ターミナル=2022年3月19日
国際線の定期便就航に向けて現在の進捗(しんちょく)などを説明したケイトマン・ザ・スカイの又吉良社長(前列右から4人目)ら=23日午後、市役所
新型コロナウイルスの世界的なまん延以降、4年以上にわたり止まっていた南ぬ島石垣空港国際線定期便の受け入れ態勢整備が大詰めを迎えている。早ければ今秋、石垣島とアジアを結ぶ定期路線が就航する見通しだ。国際線のグランドハンドリング業務を担うケイトマン・ザ・スカイ(又吉良社長、本社・那覇市)では、現在、複数の国と地域合わせて5社の航空会社と交渉を行っており、この中には、石垣から初めて、那覇空港からも直行便が出ていないエリアの航空会社も含まれている。
同社は、今年3月に八重山高校出身の又吉氏を社長に設立。現在は、アルバイトを含めて30人の従業員を確保しており、国際線関連の旅客サービスやランプサービスなどのグランドハンドリング業務にあたる。
保安警備業務は、セーフティディフェンスジャパン(本社・奈良県)と海邦ビル管理(本社・石垣市)が連携して対応。両社合わせて18人程度の人員を確保している。
コロナ以前の国際定期便は、チャイナエアラインによる台湾(桃園)便が夏季に週4便、香港エクスプレス航空の香港便は夏季に最大週14便、冬季に週4便の運航があり、多くのインバウンド客を運んでいたが20年2月を最後に4年以上にわたり休止が続いている。
コロナ以降は、グランドハンドリング会社や保安警備会社が石垣空港から撤退するか規模縮小を余儀なくされ、22年3月の国際線ターミナル増築工事完了以降は、受け入れ態勢の再整備を目指すも全国的な人手不足を背景にスタッフの確保が難航。
昨年は、夏のダイヤに向けてチャイナエアライン、香港エクスプレスともに定期路線再開を求めていたが、石垣空港側の体制が整わず、計画を白紙に戻した経緯がある。
海外からのクルーズ船は一足先に再開しているが、観光関係者からは「インバウンドはクルーズ船よりも空路客の方が消費単価が高く、長期滞在による経済効果が大きい」など国際線の早期再開を望む声が上がっていた。
ケイトマン・ザ・スカイの又吉社長は「各エアラインとの交渉も進んでいる。目の前のやるべきことをやって9月か10月の就航をめざしたい。一緒に働くスタッフも募集している」と説明した。
中山義隆市長は「国際線は交流人口や地域の活性化に寄与する。国際線が安定的に就航できることを期待する」と述べた。
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