水道料金1~2割上げ案
- 2024年07月19日
- 政治・行政
石垣市が2023年度に実施した市内水道料金の改定計画調査で、基本料と超過分を含めた現行の料金から1~2割程度引き上げる案が示されていることが分かった。使用した水の量に合わせて3段階で設定されている超過料金区分も利用量に応じて引き上げる内容となっている。市水道部によると、近年の資材や物価高騰の影響、配水管・電気設備など水道施設の改修工事費用が上昇しているため、「水道事業の維持へ価格転嫁はやむを得ない状況にある」としている。値上げの時期は未定で、25年度以降に新料金体系の具体的な検討を進めていく。
現在の料金体系は、1カ月当たり10立方㍍までの基本料金に加えて、10立方㍍を超過した分の料金(1立方㍍毎)を使用者が支払っている。独立採算制をとる水道事業は使用者が支払う料金で運営費が賄われており、未納者が多ければ事業の継続が厳しくなる。
市内水道水の全体使用量の内訳は、一般家庭用6割、営業・官公署用3割、残りは船舶などその他。現在、一般家庭の基本料金は1230円。事業所など営業用や官公署用は1880円。超過料金は水量区分ごとに設けている。
市は老朽化する水道施設の更新工事や浄水場を維持管理するための燃料費・電気代、資材費などの高騰を背景に料金改定を検討。水道料金の引き上げ分で膨らむランニングコストを吸収していく。
市内水道料は消費増税を除いて1988年以降、値上げしていない。今回、現行料金が適正か判断するため調査を実施した。同部によると、市の水道基本料金は県内の他自治体と比べて高いが、超過料は低め。
新料金体系は使用量の少ない利用者に対する経済的な負担を抑えるとともに、水を大量に使う大口利用者の超過料金を割高に設定する段階別従量制(逓増型)を採用する方針。
現在、営業・官公署用は超過料金の上限水量が「51立方㍍以上」だが、新たに「301立方㍍以上」の区分も設定する考え。
同部は「ホテルなど開発系が水を多く使っている。営業は一定の量を超えたらそれ以上の料金設定がないので、使う分だけ使用料が取れるシステムにすることが望ましい」と話す。
今後は「石垣市水道事業変更認可第8次拡張事業(26~35年度)」計画の策定・認可取得、石垣市水道事業経営戦略を練り直して、改めて料金改定を検討していく。
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