竹富町多機能貨物船 建造へ 町議会可決
- 2024年07月17日
- 政治・行政
竹富町議会(大久研一議長)は16日、臨時会を開き、多機能型貨物輸送船の設計・建造事業の工事委託契約を全会一致で可決した。東洋造船鉄工㈱(古田浩代表取締役社長・本社福岡県北九州市)との随意契約で契約金額は5億9295万円(税込)。今年度中に設計業務を終えて造船業務に入り、来年10月までの引き渡しを予定する。
同輸送船は来年12月に引退する汽船農協やえやま(農協丸)に代わるもので、石垣島と町内各島間で生活物資などを運ぶ。造船に向け、ことし2月にプロポーザル方式による業者選定を行い、同社を優先交渉権者1位に決定していた。
事業費の内訳は基本設計・実施設計で6052万円、造船で5億3243万円。沖縄離島活性化推進事業補助金を活用し、国が8割(4億7436万円)、町が2割(1億1859万円)を負担する。町負担分は主に過疎債を活用する。
現段階の仕様書によると、同船は全長27㍍で幅7㍍、喫水1・65㍍。総㌧数79㌧で、54㌧の農協丸から大型化。貨物量も13%増加する見込みで同課は1回あたり約40㌧、年間で約8520㌧の貨物輸送を試算している。
これまで運ぶことができなかったガスやガソリンなどの危険物に加え、大型観光バスや大型トラック1台を積載することも可能に。船員5人、その他最大12人程度の乗船を想定している。
小濵啓由政策推進課長は随意契約の理由について「一括発注によるスムーズな事業の流れが造船には重要だろうという専門家、有識者の意見をふまえてこの形をとっている」と説明。昨年度の一般会計当初予算で設計・造船費で9億6600万円あまりを計上していたが、当初の100㌧級から現行の79㌧級に落とし、その他機能を集約したことで事業費圧縮を図ったという。
船を運航する指定管理事業者については地元船会社へ打診し、調整を図っているが、決まらなければ町営や第三セクター設立、PPP(公民連携)も視野に入れており、小濵課長は「我々が進めてきた不定期航路と船会社の定期航路のすり合わせが難しく調整に時間を要しているが、いかなる方法も検討し、運航に取り組んでいく」と述べた。
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