八重山毎日新聞社

　7月はイリオモテヤマネコ交通事故防止連絡会議が設定する交通事故防止強化月間となっており、関係機関・団体が対策を強化する。イリオモテヤマネコの交通事故は2022年12月23日を最後に発生しておらず、7月12日時点で無事故記録567日を達成している。

　同月間は目撃情報と交通事故記録からリスクが高い期間として設定。期間中の取り組みは、優先的に取り組むべき課題と対策などを具体化した「イリオモテヤマネコ10カ年保全計画」（22年度～31年度）の一環として昨年度に続き実施される。

　今年度は16日に上原港周辺で予定する交通安全運動を手始めに道路沿いの草刈り活動、ＪＴＥＦ（認定ＮＰＯ法人トラ・ゾウ保護基金）西表島支部やまねこパトロールと合同の夜間注意喚起、観光客などを対象にした啓発活動を実施する。

　イリオモテヤマネコの交通事故は統計を開始した1978年から現在までに101件発生。うち93頭が死んだ。交通事故は2000年に入って増加傾向が続き、18年には過去最多となる9件発生した。

　10カ年計画策定以前にも環境省や沖縄県、竹富町、保護団体などによって保全の取り組みが行われてきた。中でもに交通事故については20年と23年が事故ゼロを達成。24年も7月12日時点で無事故を継続している。

　事故が起きやすい夜間の通行車両の速度は年々低下。やまねこパトの23年度の調査によると自家用車、レンタカーともに平均速度が2年連続で40㌔以下に抑えられており、啓発活動の効果が出ていると見られる。

　西表自然保護官事務所では「ヤマネコとはじめとした野生動物との交通事故防止に向け安全運転を」と呼びかけている。

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