猟銃免許取得の利便性向上へ
石垣市は害獣駆除を目的とした猟銃所持者の確保や射撃大会の開催などを目指して整備計画を進める「石垣市狩猟者研修センター」建設地の第1候補として、市内星野地区の山側(白保大俣原)を選定した。2023年度末に策定した基本計画によると約52億円の建設費を見込むほか、施設規模は延べ床面積1万600平方㍍を予定する。選定場所は民有地や市有地、国の土地が混在しているため、今後は用地取得へ向けた交渉を地権者と進めながら、地域住民への説明も実施する。
市農政経済課によると同センターは、鳥獣被害から農作物を守るため猟銃所持免許の取得を希望する農家の利便性向上のほか、スポーツ競技としての射撃大会開催など観光コンテンツの創出を目的に整備する。
市は23年度に副市長を委員長とし、関係部長で構成する「建設用地選定委員会」を設置、年度末までに市内6カ所の候補地から白保大俣原の用地を絞り込んだ。第2候補地には野底栄地区の山側にある伊原間大浦山を挙げている。
候補地は、射撃場の指定に関する内閣府令などを参考に選定。銃弾を撃ち込む方角の奥に山が位置しており、住宅や公道、公共施設から200㍍以上離すなど安全性を確保する条件を満たしているという。また、西表石垣国立公園や保安林の規制が少ない用地を選んだ。
第1候補地の白保大俣原は、休耕田など個人所有地(45筆)の用地取得が必要になるが、大規模な造成工事は不要。第2候補の伊原間大浦山は、用地の大半を市有地が占めるが、造成工事の費用が掛かるとみている。
基本計画によると、施設は約6万平方㍍の敷地に免許取得・更新用の研修センター、300㍍級のライフル射撃場などを整備する。市は、300㍍級の射撃場を整備することで愛好者の誘客にもつなげたい考え。
散弾銃を使うクレー射撃場は、弾の飛散防止ネットを設けて周辺の自然環境負荷を抑える。
同センター建設には開発行為を伴うが、同課は面積が県の示す環境影響評価(環境アセス)基準の10ヘクタール以下のため「環境アセスは対象外」としている。一方、水質調査は定期的に実施し、環境省などのガイドラインに沿って、専門家の意見を聞きながら周辺環境のモニタリングも検討していく。
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