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八重山漁協 黒字2066万円

前年比約3・5倍と豊作だった2023年の八重山管内の養殖モズク=2023年4月16日、八重山漁協

前年比約3・5倍と豊作だった2023年の八重山管内の養殖モズク=2023年4月16日、八重山漁協

23年度 市場販売、購買で増益

 八重山漁業協同組合(上原亀一代表理事組合長、327人)の2024年度通常総会が6月27日、石垣市民会館中ホールで開かれ、任期満了に伴う役員改選で上原代表理事組合長を再任したほか、23年度事業報告や24年度事業計画などの議案が承認された。23年度は養殖ヤイトハタと海ぶどうが減産となったが、前年比約3・5倍の水揚げ量となった養殖モズクをはじめ、マグロやソデイカ、マチ類などで増産。市場販売事業や購買事業などで利益計画を上回り、2066万円の黒字を計上した。

 23年度は事業総利益1億2494万円に対し、事業管理費が1億2507万円で12万円のマイナスに。事業外収支を差し引きした経常利益は4745万円で、これから特別損失や税額を差し引いた余剰金が2066万円だった。

 本業のうち市場販売事業では鮮魚等輸送費にかかる運賃助成(不利性解消事業)に伴う集荷率の向上を図り、マグロ類の取扱量やソデイカ、養殖モズクの市場内外での取引量がともに増加。取扱高は2555㌧(計画1700㌧・150%)、9億6068万円(同7億5200万円・128%)だった。

 加工事業では養殖モズクの取扱量は増加したものの、ヤイトハタの取扱量が減少。また自家製品見合い分の保管料負担増によって利益計画を下回った。加工品販売高は886㌧(同771㌧・115%)、2億5683万円(同2億2075万円・116%)となった。

 24年度は事業利益で1050万円、事業外の経常利益で4175万円を見込むなどして、同期利益2714万円を計画する。

 上原組合長は「引き続きクロマグロ漁獲枠拡大に向け県や市、系統団体と連携して要請活動を展開する。八重山北方三角水域の操業ルール見直しについても台湾との交渉に積極的に取り組む。行政に対しては漁業コスト増加に伴う救済措置の継続や新たな支援策を要望するとともに、漁家経営の安定向上に貢献する体制の強化が図られるよう取り組む」と述べた。

 このほか総会では▽登野城漁港桜口航路浚渫工事にともなう岩礁破砕▽小浜海底送水管更新工事▽川平海岸護岸整備工事にともなう岩礁破砕―など15議案が原案通り承認された。

 石垣市が事業主体となって崎枝に整備した車エビ養殖施設の適切な運用に向け、㈲石垣エビ養殖と有限責任事業組合(LLP)を設立する方針も承認された。八漁協は今後、設立時期や出資比率など細かな契約内容について同社と協議し、事業統合、組合設立を目指す。

 代表理事組合長を除く理事、監事は次の各氏。任期は3年。

 ▽専務理事=伊良部幸吉▽理事=砂川政彦、屋嘉部均、満名宏亮、金城吉英、宮良当建、大濵長壱朗、名嘉正直、宮里長善、山下輝雄、大城洋一▽監事=比嘉幸秀、新里昌央、平良守弘

  • タグ: 八重山漁協養殖モズク
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