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ある程度、実績を重ねると「座右の銘」を…

 ある程度、実績を重ねると「座右の銘」を考えたくなるらしい。あいさつやインタビューを受ける時に必要なのだろう。ちょうどいいフレーズがある▼福澤諭吉さんが「文明論之概略」で、日本の皇室を語りながら「物の貴(とうと)きにあらず、その働きの貴きなり」という言葉を生み出した。士農工商といったガチガチの身分制があった、前近代社会の常識を覆す力強さがある▼例えば社長だから「すごい」、市長だから「えらい」、官僚だから「頭がいい」と思い、自然と評価する人がいるとしよう。しかし当然ながら立場ではなく、その人に内在する働きぶりを評価すべきで、そこに、この言葉が命題としてスポッと当てはまる。自分を律する意味で座右の銘にすると好評を得るだろう▼さて、一万円札でおなじみの福澤さんだが、きょうから新一万円札が発行され、旧札は徐々に姿を消す。五千円、千円札も新しくなる▼近ごろの日本経済を振り返ると、事業所や家庭を苦しめている物価高に加え、過度な円安で先行きも明るくない。ガソリン代も高いし、子牛セリも価格が伸びない▼これから新一万円の顔となるのは渋沢栄一さん。実業家として名をはせ「日本資本主義の父」と呼ばれている。新札にも日本の将来を案じて「働きの貴き」を求めたい。(玉津盛昭)

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