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生徒らが「窯出し作業」

炭窯の入り口を開け、泥を運び出す船浦中の生徒ら=14日午後

炭窯の入り口を開け、泥を運び出す船浦中の生徒ら=14日午後

炭焼き体験の総決算

 【西表】船浦中学校(宮良健校長)はこのほど、同校の特色である炭焼き体験学習の総決算にあたる「窯出し作業」を実施した。

 戦後しばらくまで、産業の乏しかった西表では、島民は山林の木材を炭にして現金や物資に交換し、生計を立てていた。そういった歴史の学習から始まり、切り出し~枝打ち~窯入れ~火入れなどの作業を保護者や地域住民らと約2カ月間かけて協働し、多くの学びを得る大切な伝統行事として受け継がれきた。

 昨年から、長年講師を務めた永田欣也さんからバトンを渡された津嘉山彦さんが、講師として指導に当たった。

 老朽化した窯の亀裂から空気が入るというハプニングで、なかなか窯内部の温度が下がらず、PTAが夜通し補強作業をすることもあった。津嘉山さんと生徒らは、祈るような気持ちで、川満晃弘PTA会長がのみを振るって入り口を開ける様子を見守ったが、炭の束が見えると安堵の笑みが広がった。3年生の渡辺舟さんは「全部燃えて無くなっていたらと不安だったが、実験で入れたパイナップルもちゃんと形がきれいに残っている」とうれしそう。

 窯からどんどん運び出された炭は、生徒らが手分けして細かく砕き、手書きの袋に詰め、146袋分が出来上がった。津嘉山さんは、「窯が冷えるまでに例年の倍時間がかかったり、雨で窯出しが3度延期になったりと不安の多い年だったが、PTAが愛情を込めて火の番をしてきてくれたおかげで、こうして成功した。無駄なく活用してほしい。」とあいさつ。

 今後は、3㌔詰め1000円で販売される他は、総合学習で、起業家精神を養う「チャレンジビジネス」の企画販売商品として活用される。会社を設立し、広報部、商品制作部、商品企画部、クラウドファンディング部に配属を分け、部長を選出した生徒たち。各部が今後どのような戦略を立て、商品を開発・販売してゆくのかが注目される。

   (西表西部通信員)

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