「マジンガーZ」や「ガッチャマン」を見たのは…
- 2024年06月24日
- 不連続線
「マジンガーZ」や「ガッチャマン」を見たのは台湾のテレビ放送で。台湾からの電波で混線がひどく、日本のラジオ放送が「ちゃんと受信できずにイライラした」。台湾から111㌔のところに住む人だけが体験し、体験談として書くことができるエピソードだ▼与那国町役場の小嶺長典さんがウエブ上に発表したエッセーを読み、感銘を受けた。台湾との間を結ぶ船の実現に掛ける思いが趣旨だが、生活感あふれる筆致に、台湾と与那国の関係がにじみでている▼きのうは「慰霊の日」だった。きょうから戦後80年に入ったことになる。私もこの時期になると、戦争体験を受け継いでいくことの大切さをかみしめる▼与那国島の人たちと接していて思うのは、戦争体験と同じくらい、与那国という場で体験したことを語り、書き、伝えることが大切だということだ。知らぬ間に忘れられ、なかったものとされないためにも▼与那国島には、終戦や本土復帰などとは別の尺度がある。言うまでもなく、台湾の尺度だ。1947年の2・28事件や、87年の戒厳令解除は、大なり小なり、好むと好まざるとにかかわらず、島の暮らしに影響を与えた▼そこで生まれ育った人にしかない何か。それは「マジンガーZ」かもしれないし、ほかの何かかもしれない。(松田良孝)
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