給食費説明会あす開催
- 2024年06月20日
- 社会・経済
玉城デニー知事が打ち出した県内中学生の給食費半額補助支援を巡り、県教育委員会は21日、八重山3市町に対し石垣市役所で説明会を開く。県は全中学生の給食費半額を補助する方針だが、小学生や就学援助生徒は補助対象外のため、懸念や不満が噴出するとみられる。
県教育委員会は説明会を17日の那覇・南部地区からスタート。県内6地区に分けて市町村の教育委員会へ事業説明を行う。県教委では県補助額を10億円と見込んでいる。
3市町の給食費負担軽減に向けた取り組みをみると、石垣市の場合、児童生徒にかかる給食費の総額は2023年度実績で2億4754万円。このうち、保護者負担分が9303万円。その他の内訳は、少子化対策助成5265万円、修学援助3238万円、第3子以降無償化1191万円、物価高等対応2289万円、3学期無償化3071万円、要保護児童生徒が254万円、特別支援教育就学奨励費140万円だった。
保護者負担分(9303万円)を除いた補助金などの割合は62・4%(1億5451万円)になっており、段階的な無償化につなげる方針だ。
市教委は23年度実績を参考に、中学生の完全無償化に必要な額を5255万円と算出。小学生は9406万円。給食提供者数は中学生1930人、小学生3790人。
与那国町は、与那国駐屯地の町有地賃借料の一部を充てることで独自に無償化を実現。与教委によると、児童生徒約220人に対して、年間900万~1千万円を支出しているという。
竹富町は23年度、コロナ交付金を活用して無償化。今年度は徴収している。竹教委によると、23年度実績で、児童生徒443人分の1642万円を無償化した。
県が示した中学生半額補助の制度設計には、首長などから児童生徒一律での補助、就学援助者を対象に組み込むなど要望が出ており、市町村が納得できる制度設計が求められている。県教委の担当者は取材に「那覇・南部地区の説明会で要望が多かったのは『就学援助の子も含めてほしい』という声。ただ、法的な位置づけもあり、今回の事業に加えるのは難しいと考えている」と難色を示した。
一方、日本国憲法26条では義務教育の無償が保障されており、「子どもたちの権利を守るため、早期に国が行うべきだ。給食費無償化の議論を選挙や政治利用しないでほしい」と政治家や国を糾弾する意見も出ている。
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