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子らが小中学校のころ、「今日の給食おいしかった…

 子らが小中学校のころ、「今日の給食おいしかった」「明日は○○ってよ」などと日々の献立に一喜一憂、それを楽しく聞いていたのを思い出す。われら、そんな給食を食べた覚えのない「脱脂粉乳世代」である▼シンメー鍋にお湯をぐらぐら沸かし、粉ミルクをどぼどぼ投入してひたすら混ぜる。これがミルク。一般に牛乳が普及していない頃、このミルクにやられ、おなかをこわす児童がいた▼小中学校を通して脱脂粉乳ミルクとパン一つ、時々嫌な匂いのおいしくないチーズ。これが学校給食。誰も疑問に思わなかった。欠席児童には近所の子にパンを持たせたから、いくばくかの給食費は徴収していたかも知れない▼これでは当然、栄養が不足する。小学児童には「おかず持参」が、食べ盛りの中学生には「弁当持参」が認められた。持ってこれない子もいた。皆が「夕べの残り」だった。なかに堂々カレーのつわものもいて、教室はその香りに満ちた▼そんな持参がなくなったのは復帰の翌年。給食センターが稼働し、皆が同じ給食を食べるようになって家庭は大助かり▼子育て世帯の支援や「つらい思いの子」を出さない。それが給食無償化の意味だろうに、県議選を前にした政治的なごたごたは、父母や子どもたちの目にどう映ったか。優先すべきは誰か。(慶田盛伸)

 

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