八重山毎日新聞社

　ユッカヌヒー（旧暦5月4日）は糸満ハーレーを見に行った。話題のアヒル取り競争が目的だったが、到着したころには終わっていた▼会場周辺には選挙の立候補者が大勢いた。いま糸満市では県議選、市長選、市議補欠選の真っ最中。糸満の伝統行事は多くの陣営にとって浮動票を狙うイベントになった▼三つの選挙の投票日は16日、立候補者は計16人。このうち上原さん2人、玉城さん2人、新垣さん2人が出馬している。老婆心ながら申し上げると、有権者が投票時に書き間違えないか気になる▼せっかくホットスポットの糸満に来たので、もっと選挙気分を味わいたい。ハーレー会場に落ちている選挙用名刺をスマートフォンで写真に収めることにした▼「カシャ」。人混みのなか、女性の足元でシャッター音を鳴らすのは勇気がいる。でも明らかに名刺だけを撮っているので、変な疑念を持たれずにすんだ。県議選1人、市長選1人、市議選2人の名刺が撮れた▼盛り上がりをみせる糸満とは対照的に、石垣市区の県議選は再び無投票となった。現職2氏は8年間、有権者の審判を受けていないことになり、八重山代表としてふさわしい人材なのかよく分からない現状すらある。この不安を払拭（ふっしょく）するためにも、県政の場で地域発展に尽力を。（玉津盛昭）