石垣市水道部 昨年12月の断水原因を特定
- 2024年06月07日
- 政治・行政
石垣市水道部は、昨年12月26日に発生した大規模な緊急断水について原因をまとめた。水源の河川水や地下水を処理する石垣浄水場のろ過池が4つの要因で機能低下に陥り、渇水期後の同12月上旬の集中豪雨で赤土成分を多く含む濁水を取水したことが、ろ過地に目詰まりを起こした「直接的な原因と考えられる」と結論付けた。水道部は現在、再発防止計画を策定している。
浄水場では、取水した水を沈殿池で浮遊物を沈殿させた後、ろ過池に流水させて砂利や微生物などが濁りを取り除く。処理された水は消毒後、配水池にためて各家庭に配水される。
緊急断水は気象条件などが重なり、ろ過池で目詰まりが発生。給水量に対して水の製造が追い付かず配水を一時的に止めた。
ろ過機能低下に至った要因は①古いコンクリート造の沈殿池が劣化し、越流壁が破損した②沈殿しにくい赤土成分を含んだ河川水を多く取り込んだ。微粒子が残ったまま、ろ過池に流入した③昨年10~11月末ごろまで渇水期が続き、河川ではなく硬度成分(マグネシウムなど)を含む地下水の取水量増加。気温が低かったことも影響し、ろ過層の中で結晶化が進んだと考えられる④気泡層が形成された。ろ過池内で溶け残った酸素や藻が作り出した酸素が気泡の層になり、ろ過層で水の浸透が遮られた。
これら複数の要因が重なり、つくられる水の量より、配水量が増えてバランスが崩壊。配水池の水位がどんどん低下していく中、12月上旬の豪雨で山からの濁水が多くなった。普段なら濁りのひどい水は取り込まないが、渇水直後ということもあって取水せざるを得なかった。その際、高濁度の水がろ過を閉塞させた直接的な原因と考えられるという。
同部は今後の対策に向け再発防止計画を策定しており、運用面では原水の濁りがひどければ一時的な取水停止を徹底し沈殿池の清掃回数を増やす方針だ。
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