「戦世の沖縄」展始まる 八重山平和祈念館
- 2024年06月02日
- 地域・教育
八重山平和祈念館第2展示室で1日、6月企画展「戦世の沖縄~住民の戦争被害~」が始まった。戦時中に県民がどのような被害を受けたのかに焦点を当てた。沖縄戦全体の状況が把握できる内容となっている。企画展は無料。常設展は有料だが、「慰霊の日」の23日は無料とするほかアニメ上映会も行う。
企画展はⅠ部「打ち砕かれた沖縄」で▽沖縄戦への道▽沖縄戦▽県民の戦没状況、Ⅱ部「住民の戦争被害」で▽住民犠牲の諸相▽戦場に動員された人々▽生き抜いた人々▽傷ついた人々▽終わらない戦後処理―を説明文や資料、コラム、写真などで紹介している。
住民の戦争被害では「住民保護の軽視」として「第32軍(沖縄守備軍)にとって疎開とは、戦闘の邪魔になる老人・子どもの退去であり、役に立つ住民には疎開を許さなかった。牛島軍司令官は、沖縄戦の最中に『残存する兵力と足腰の立つ島民とをもって、最後の一人まで』戦うと発言しており、日本軍の作戦に住民を守る視点はほとんどなかった」と説明している。
最近寄贈された「家庭用塩購入票」「徴兵保険証券」「賜金国庫債券」も展示されている。
来場者のうち八重山戦争マラリア遺族会の唐眞盛充会長は「一冊の本を読むのと同じくらいの展示となっている。過去の歴史、日本軍の過ちを知ることが平和を強く意識し平和を求める力になる。特に小中高生に見てもらいたい。先生には特設授業を企画展で行ってもらいたい」と望んだ。
企画展は30日まで。開館は午前9時~午後5時。月曜日は休館。23日は第2展示室で午前10時から「石の声」、午後1時から「対馬丸―さようなら沖縄―」の無料アニメ上映を行う。
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