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17歳の若さで命を絶たれたレイチェル・スコットが…

 17歳の若さで命を絶たれたレイチェル・スコットが通っていた学校では、いじめが問題となっていた。心優しい彼女は、いじめられている生徒を助け、独りぼっちの生徒に声をかけて友達になった▼悲惨な出来事が1999年に起こった。コロンバイン高校の銃乱射事件で彼女は凶弾に倒れたのだ。死後、両親は彼女の遺志を継ぎレイチェル・スコット・プロジェクトを設立した▼プロジェクトが提唱する「レイチェルズ・チャレンジ」は小さな親切の心からスタートし、思いやりを広げ、多様性を受け入れ、そして地域社会に貢献することで、優しさの精神を世界に広げる。これは、彼女が生前、掲げていた規範の一つだ▼オバマ前大統領は2008年の大統領選の際、彼女が説いた「親切の連鎖」の理念を支持。思いやりの心が社会を変えていく力になると訴えた▼彼女が生まれるはるか昔、故・ケネディ大統領が大学で行った演説では「私たちの小さな善行が、思いがけない場所で思いがけない人々の心を動かし、その輪は広がっていく。世界は、そうした小さな行為による変化の連鎖によって良くなっていく」と呼びかけた▼6月1日は人権擁護委員の日。社会をよりよいものにするため、人権が持つ固有性、普遍性、不可侵性について、あらためて考える機会としたい。(立松聖久)

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