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初めて観るサーカスは、台湾からやってきた…

 初めて観るサーカスは、台湾からやってきた。はるか昭和、美崎町の埋め立てが終わったころだったか。ところは旧市役所あたりの空間▼それこそ生まれて初めて見るライオンや虎などの猛獣、巨大な象。子供たちは目を丸くして歓声をあげたものだ。その猛獣たちが、鞭を手にした猛獣使いの鞭の音、身振りだけで思うように操られてゆく▼おどけ者のピエロも、命知らずの綱渡りも、みな初めてだった。縦横、垂直、水平。球体の装置の中で重力を無視してあらゆる方向に爆走するオートバイ。非日常の体験、サーカスの世界に子供たちは大興奮。翌朝の学校はその話題でもちきりだった▼プロレスの巡業試合も美崎町の特設舞台だった。ジャイアント馬場に若き日のアントニオ猪木。残念ながら我が家は見学禁止。悪役の外人選手がいたか定かではない▼それでも選手らを見たい。宿泊先は当時八重高の北にあった八重山観光ホテル。友人らと待ち伏せした。登小北側の境界ブロックがまだ積まれてない頃だった。待ちに待った馬場選手は狭いタクシーの中で首を横に曲げて乗っていた。若手の猪木選手らは別の安ホテルだったらしい▼旧市役所跡地に大きな空間ができつつある。今しかできない、子供たちの思い出に残ることをどなたか企画してくれませんか。(慶田盛伸)

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