米大使、陸自駐屯地を視察 在沖米軍トップが同行
- 2024年05月18日
- 政治・行政
ラーム・エマニュエル駐日米国大使が17日、日本最西端の与那国町と石垣市を米軍用機で相次いで訪れ、陸上自衛隊の駐屯地などを視察した。在沖米軍トップのロジャー・ターナー4軍調整官らが同行した。台湾有事を念頭に九州・沖縄の防衛力を強化する「南西シフト」の最前線で米軍と自衛隊の連携をアピールし、中国をけん制する狙いがあるとみられる。大使は「戦争を防ぐための確かな抑止力が重要だ」と日米連携強化の重要性を強調した。与那国空港を米軍が使うのは、県などが把握する限り日本復帰以降初めて。(9面に関連)
大使は同日午前10時40分ごろ、与那国空港に到着。西崎展望台や日本最西端の碑を糸数健一町長の案内で訪れ、台湾を望む東シナ海を見渡した。陸自与那国駐屯地の隊員10人余りと昼食をとった後、与那国町漁業協同組合などを訪問。嵩西茂則組合長らと面会し、与那国空港から石垣島へ移動した。
報道陣の取材に「日本の主権を尊重した形で同盟パートナーとして、相互補完的な役割を果たしながら戦争を防ぐための確かな抑止力が重要だ」と述べた。
米駐日大使の与那国島訪問は今回が初めてで、「稚内から与那国まで日本全体へのコミットを示すために前任者は来るべきだった。私が最後の駐日大使とはならないだろう」と今後も継続して来島する可能性を示唆した。
新石垣空港には午後1時40分ごろ到着。川平湾、陸上自衛隊石垣駐屯地、巡視船停泊の石垣港を訪れた。駐屯地では約40分間滞在。石垣港では大型巡視船「やえやま」に乗船し、約20分間視察をした。
川平湾では石垣市の知念永一郎副市長らが案内。知念副市長は取材に「来島の目的を聞くと『大使という立場で石垣島を見てみたい、また日米安全保障の面でもサポートするために訪れたかった』とおっしゃっていた」と話した。
米軍用機は午後5時10分過ぎに空港を飛び立った。大使らが搭乗していたかどうかは分からない。
知事「大変遺憾」
県は緊急時以外の民間空港使用を自粛するよう米大使館などに要請しており、玉城デニー知事は「大変遺憾」とコメントした。
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