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心で考えるには言葉が必要だけど、言葉が生まれる前にはどうやって…

 「心で考えるには言葉が必要だけど、言葉が生まれる前にはどうやって人間はものを考えていたのですか」▼小学3年生の女の子からこんな質問が4月28日に放送されたNHKラジオ第1の「子ども科学電話相談」に寄せられた。講師陣からもその鋭さに感嘆の声が上がった▼物事を論理的に思考したり自らの心象を咀嚼したりする時、言語がなかったらどうなるのだろうか。事象への詳細な意味づけが困難となり、それを他者へ伝えるすべもないことになるのだろうか▼諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀氏は、言葉を持たない動物や赤ちゃんの脳の動きを観察すると「考えている」と推測できるが、言葉がなければ高度な思考はできないと回答した▼近年の子どもを取り巻く問題ではSNS上のトラブルなどが特徴的だという。言葉の齟齬からいじめに発展するケースも。文脈に依存する日本語でのコミュニケーションスタイルは、多様な考え方が進む現代では気持ちが十分に伝わらず、信頼関係を築きにくいといった結果を招いているそうだ▼県スクールカウンセラーの岡田啓子氏は、人権擁護委員研修会で子どもの悩みを一緒に考える際のさまざまな配慮を説いた(17日付9面)。背景を読み込んで言葉を選びながら慎重になされるその関わり方は大いに参考になる。(立松聖久)

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