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「子牛価格大暴落」。「前回から9万円安」。15日付八重山毎日新聞1面の…

 「子牛価格大暴落」。「前回から9万円安」。15日付八重山毎日新聞1面の八重山・黒島家畜市場の5月セリの見出しだ▼子牛価格は八重山家畜が1頭平均41万6132円、黒島が35万4067円と、前回と比べ、それぞれ9万9159円、13万198円もの大幅安という▼子牛価格は過去にもさまざまな要因で上昇と下降を繰り返してきたが、一月でこれほどの大暴落は筆者の記憶にない。まして飼料価格の高騰など生産コストが上昇を続ける中だけに農家にとっては死活問題だ▼コロナ禍から続く牛肉需要の減少に伴う枝肉市場価格の低迷から購買者が購入価格を抑えていることが、子牛価格暴落の根幹にあるようだ。また、物価上昇を受け、生活防衛のため消費者がより安い豚肉や鶏肉などへと消費をシフトし、牛肉消費が低迷しているとの分析もある▼ただ、この牛価の低迷は、畜産経営を始めたばかりの若い経営者などにとっては経営を維持できるかどうかの大問題。生活費と施設整備費の償還などもあり、別に、収入を求める農家もいるという▼先行きが見通せない中、このまま牛価が下降線をたどれば、経営的に耐えられなくなった農家の離農も心配される。現状を八重山畜産最大の危機ととらえ、農家と関係機関が一体となった対策が求められる。(下野宏一)

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