20年以上前、与那国町の訪問団が台湾花蓮市で…
- 2024年05月13日
- 不連続線
20年以上前、与那国町の訪問団が台湾花蓮市で交流の夕食会に臨んでいた。終盤、会場ではドゥンタさながらの巻き踊りとなった。与那国か花蓮かを問わず、みんないい顔をしていた▼両町・市の姉妹都市交流は1982年に始まった。日台の自治体間交流としては全国で2番目に早い。交流が途切れずに続いている点も誇っていい▼歳月は友情を深める。町民や町出身者のなかには、花蓮の人たちと個人的な交流を続ける人もいる▼筆者は取材者として、交流の場面に何度も立ち会ってきた。言葉の壁はあっても、コミュニケーションを試みて歩み寄る姿にたびたび遭遇した▼姉妹都市交流が40年以上続いているのは、歴史的なつながりや地理的な近さがあればこそである。それだけに、3日に都内で開かれた会合で与那国町長という肩書で紹介された人物が演壇に立ち、「旧宗主国」という言葉で台湾との関係を語った(4日付「琉球新報」3面)時、言いようのない違和感を覚えた▼正式な外交関係がないなかで町民が台湾と地道に向き合ってきた意味を、島の人たちは十分に意識しているだろう。与那国町長としての責務を果たすことを許された人物ならば、まずは、台湾の東に住む隣人として友好関係を築いてきたことを語るべきではなかったのか。(松田良孝)
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