西表島で発見、国内2例目
18年ぶり マングローブ林のみに生息
琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設の和智仲是助教と九州大学大学院農学研究院昆虫学分野の松井悠樹学術研究員の研究グループは、国内2例目の記録となるオオウスグロハラナガノメイガを西表島で発見した。研究成果は琉大資料館の風樹館が4日付で発行した学術誌「Fauna Ryukyuana」に発表された。
オオウスグロハラナガノメイガはマングローブ林だけに暮らすガの仲間で、アフリカやインド、オーストラリア、太平洋の島々などに分布する。
国内では2004年に沖縄本島の佐敷町(当時)で発見。今回、西表島で見つかるまでは国内唯一の生息地となっていた。
和智助教らは、同研究施設が管理する演習林の一角にある船浦のマングローブ林内で2022年夏にオス1個体、メス1個体、23年秋にオス5個体を採集。専門家の松井学術研究員に同定を依頼したところ、国内2例目の記録となるオオウスグロハラナガノメイガだと分かった。
和智助教は「23年の調査で違和感を覚え、22年採集分を確認してみると複数採集できていた」と驚きとともに当時を振り返った。八重山初記録となったことについては「生息密度はそれほど高くないが、西表島が国内2カ所目の生息地となる可能性が高い」と指摘した。
同研究については「西表島の国内最大面積を誇るマングローブ林には未知の動物が生息している可能性が高い。研究を通じて地域の生物多様性に対する理解を深め、生態系保全と持続可能な管理に貢献したい」と展望を語った。
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