ウリ型が6割超と急増
海岸漂着ごみで増加している中国製プラスチック製ブイのうちウリ型ブイが6割以上を占めていることが、八重山諸島で海洋漂着ごみを調べ続けている防衛大学校名誉教授・山口晴幸氏(75)の今春調査で分かった。この数年で中国製の大型プラスチックブイはウリ型に置き換わっており、今後も激増する可能性が高いという。材質がもろいため、マイクロプラスチック化を懸念する。
八重山の7島41海岸(総距離20・87㌔)でことし3月中旬から約1カ月間、カウント調査を行ったところ、中国製大型プラスチックブイの総数は8713個で、うちウリ型が5518個で1㌔当たりに換算すると264個。従来から確認されている丸型ブイは3195個で1㌔当たり153個。ウリ型が丸型の1・7倍で全体の63・3%を占めた。昨年の調査ではウリ型は40・2%だったが、今回で逆転した。
八重山の中でも与那国島1680個、西表島1962個、石垣島1231個と多く、1㌔㍍当たりだとそれぞれ721個、257個、290個となる。ボランティアによる海岸清掃で回収されたものもあることから、実態はさらに多いとみる。
山口氏は「ウリ型ブイは中が空洞で軽量のため風や波で容易に移動し緑林域に食い込んでいるものも多い。また、材質・構造的に弱く、劣化破損しているものも多く、漂着後にマイクロプラスチック化することが懸念される」と警鐘を鳴らす。
山口氏は、漂着ごみの80%以上が中国製ごみを主体とする外来のもので増加傾向にあることから、自治体など公的機関による国内外への情報発信の必要性を強調、さらに「半永久的に持続できる回収除去システムの構築が求められる」として「公的組織をベースとした海洋凝着ごみ専属組織の設立が効果的」と提案する。
八重山諸島での海洋漂着ごみ調査は1998年から取り組んでおり、今回で27年目。
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