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幼少のころ、旧暦3月3日の浜下りの日に、…

 幼少のころ、旧暦3月3日の浜下りの日に、叔父のサバニに乗って親族で干瀬(ひし)に行ったことがある▼干瀬は干潮のときに現れるサンゴ礁群など。シャコガイやタコなどをとった。岩やサンゴに埋まっているシャコガイは、乱暴だがバールを使って取り出した。1970年代のこと。海の恵みは豊富だった。楽しかった▼シャコガイはその場で食べるとおいしかったが、持ち帰るとそうでもなかった。特に豆腐のような肝は磯の香りを丸ごと凝縮したような味がして苦手だった。モズクはヌルヌルが嫌だった▼大人になると味覚は変わるものである。いつの間にか、いずれも好きになっていた。シャコガイは酒のあてに打ってつけ。珍味である。貝類の中で一番の好物になった▼浜下りにはそんな思い出があるが、ことしは八重山漁協が出した広告「警告(漁業権対象種をとらないで下さい)」(3月8日付11面)に波紋が起きた。石垣島から西表島までの漁業権範囲内で対象種をとった場合には告訴するとあり、「100万円以下の罰金」も記されていたからだ。対象種を知らず、驚いた人も多かったらしい▼と言って漁協がむやみやたらに告訴しているわけではない。びくっとさせる内容の広告は、悪質な実態や水産資源枯渇への危機感の表れであろう。(比嘉盛友)

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