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海や野山、自然遊びはあまり得意なほうでは…

海や野山、自然遊びはあまり得意なほうではない。山に入ればハブがいないか恐る恐る歩き、海に入ればタクイラー(ハブクラゲ)がいないか目をこらす▼そんな怖がりが50代のころ同僚に教わり、はまったものがある。アンパルのセー小(ぐわぁ)捕りである。最大でも5㌢余り、わずか数㌘。フトミゾエビという和名の小エビ。梅雨入りの、シロアリが飛び始めるころ、月明かりのない闇と、最大干潮で水面が最も狭くなる潮の、年にわずか数回しかないチャンスの季節の恵みである▼漆黒の水面にヘッドランプを向ければ小エビの目が一斉にルビー色に光って美しく、「捕って」と呼んでいるように見えるからあら不思議。手網片手にもう夢中で小エビを追うこと1時間余り。潮が満ち始めれば楽しみはおしまい▼浜辺に上がりヘッドランプを消して初めて周囲の闇の深さに恐れおののく。夜空は素晴らしく美しく、この自然を「過去の物語」にしたくないと思う▼アンパルの豊かさは、海と河川、山々からの湧水だけでなく、光と闇がもたらす多様な生物資源、天然の恵みである▼前勢岳北斜面で計画中のゴルフリゾート。人工の光が夜空だけでなく周辺の闇をも消して生物資源に影響しないか。小エビといえど、自然の豊かさを示す貴重な指標である。(慶田盛伸)

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