糸数町長「43兆円の争奪戦」 与那国町
- 2024年04月29日
- 政治・行政
【与那国】特定利用空港・港湾への指定が検討されている比川地区への新港建設を巡り、政府に要請している糸数健一町長は28日、比川地区住民を対象に説明会を比川自治公民館で開催した。「(2023年度から5年間の)43兆円の防衛予算を巡って先島地区でもすでに争奪戦は始まっていて、石垣では既に精力的に動いている」として国防と島発展の両面での必要性を改めて強調した。
町が要請している比川港湾(仮称)の図面によると、カタブル浜から幅200㍍、長さ1㌔ほどを掘削し、湿地帯をつぶして港湾をつくる計画になっている。
図面作成について糸数町長は「事務方が苦肉の策で説明のためにつくったが、あくまで一例。あの通りになるとは限らない」と説明、「町だけでできることではなく、国がどう考えるかが一番大きなウエートを占める。極端な自然破壊はあってはいけないが、今が千載一遇のチャンス。50年先を見据えてやりたい」と理解を求めた。
大臣らへの要請活動に対し、住民からは「課長にも話さず、町長と副町長だけで要請するのはやり方として失敗だったと思っていないか」とただす声も。
糸数町長は「おっしゃる気持ちはよくわかるが、限られた任期のなかでチャンスは一瞬。焦りではないが、全てお諮りすると意見の集約だけでも4年では厳しい。町民に付託されている以上、私の責任でやるところもあることを理解してほしい」とした。
住民からは「住民の意見を吸い上げてから提案してほしい」「こんなすばらしい島に余計なものをつくらないで」「日頃から町民の声を聞いていない」などと反発の声があった。
一方で「港は大賛成。国の予算をどう引っ張ってくるか住民自身が考えるべきだ。前向きな気持ちでやらないと比川は発展しない」と理解を示す人も。
説明会後、糸数町長は取材に対し「いろんな意見があるが、大きなインフラは島全体で考えること」と述べ、比川港湾の要請を取り消すことはないとの考えを示した。特定利用空港・港湾に関する町民向けの説明会については「国や県から打診があれば、各地区ごとにひざを突き合わせて話したい」とした。
説明会は冒頭のあいさつのみ公開された。
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