八重山毎日新聞社

　ぼーっとしていると「トゥルバヤー」と言われたり、言ったりしたもんである。ぼんやりしている様を表す「トゥルバイカーバイ」もよく耳にするが、いずれもからかうような響きがあって良い意味では使われてこなかった▼ところが、最近ではぼんやりすることの効用が脳の研究で認められるようになっている。「ぼんやりの効用」でネット検索してみると、出るわ出るわ▼「インプットした情報を脳が整理するのは、ぼんやりしている時だと言われています。ボーっとした後は頭の中が整理され、頭も気持ちもスッキリするのである」「創造やひらめき、クリエイティブなところにつながると言われているそう」などなど▼実際、そんな体験、みんなもしているのではないか。筆者の場合だと、一服しているとき、トイレに入っているとき、車を運転しているとき、などにぴったりの表現や言葉が浮かんでくる▼でも、現実はどうだろう。スマホの出現でせわしい日々。ちょっとでも時間があれば画面ばかり見ているのでは。ぼんやりするどころではない▼自らのぼんやり効用の経験から子にも「スマホから離れてぼんやりする時間をつくりなさい」と言っているが、なかなか聞いてくれないので困っている。ぼんやり以外にも散歩、音楽などもいいらしい。（比嘉盛友）