新城島のクジャク根絶か 直近3年で確認されず
環境省が新城島(上地島)で実施している緊急対策外来種のインドクジャク根絶に向けた事業が実を結びつつある。2003年から捕獲や生息数の確認調査が行われており、かなりの数が生息していたインドクジャクが直近3年間の調査では確認されておらず、根絶達成が目前となっている。同省では、06年から09年にかけて駆除を集中的に実施。これまでに130羽程度を捕獲。近年の生息数調査では、19年に1羽のメスを確認したがその後は見つかっていない。
インドクジャクは、昭和40年代に新城島の宿泊施設に導入されたものが逃げ出し野生化したもので、生態系に悪影響を与える可能性があることから05年に環境省の要注意外来生物に指定。その後、15年の生態系被害防止外来種リストの作成に伴い特に緊急性が高く、積極的に防除を行う必要がある「緊急対策外来種」に指定されている。八重山では石垣島や黒島、小浜島でも野生化し、農作物や生態系への影響が懸念されている。
新城島では、箱わなや猟銃、クジャク探査犬などを使いながら11年度までに129羽(オス36、メス57、幼鳥24、不明12)を駆除。その後2年間はゼロだったが、14年度に2羽、15年度に1羽、19年度に1羽を捕獲した。
自動撮影カメラの映像などから、残り1羽のメスが生息していると見られたが、新型コロナウイルスのまん延による渡航制限などで中断。22年度から再開したが、これまでに新たな個体は見つかっていない。
22年3月に最後の2頭が捕獲された西表島のノネコや今年9月にも根絶宣言が出される見通しの奄美大島のフイリマングースなど外来種対策は、個体数が少なくなり捕獲や発見するのが難しくなってからが正念場。同省では、自動撮影カメラの台数を増やすなどして新城島のインドクジャク根絶に向けた調査を継続していくとしている。
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