やっと来た。来てくれた。朝日が昇り始めた…
- 2024年04月23日
- 不連続線
やっと来た。来てくれた。朝日が昇り始めたころ、あたり一面に響き渡るこっかあらの美声。数十秒か、わずかの間だったが、その歌を聴かせるべく思わず妻を揺り起こした。なにしろ2年ぶりである。うりずんの季節到来を告げる美声を心うれしく聴く。お隣ご近所の皆さんもきっと喜んでいるに違いない▼思えば昨年は、近くに壁のようにそそり立つ陸上自衛隊宿舎が完成、入居時期に重なり、それが影響したか、こっかあらはついぞ近くに寄ることがなかった。それまでひと夏の間に何度も何度も来ていたのに、である▼なかに微妙な節回しの、いわゆる上手じゃない歌声の持ち主もいて、繰り返し飛来し、それはそれで楽しませてくれた。その個体すら来てくれなかった残念な昨年である▼深紅のデイゴ、純白のユリ、月桃の花。うりずんの花々も心躍る。なぜ、島人が鳥や花々の季節を待ちかねているか。島外から移り住んだ人々には、その感性に寄り添ってほしい。島々に平和あるゆえの季節の尊さ▼平得の産業道路にインドクジャクがあらわれ、通りがかりの市民を驚かせた。人を恐れぬ外来種。山のテリトリーが足りずに押し出されてきたか▼島の開発が進めば鳥たちの生息域は狭まってゆく。これ以上自然を壊すな。うりずんにそんなことを思った。(慶田盛伸)
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