輸送滞留解消を要請 「崩壊につながる」窮状訴え
貨物船の検査運休により竹富町内の物流が停滞しているのを受け、西表島トロピカルフルーツ生産組合(渡久山賢太組合長)と西表東部パイン生産組合(水野友樹組合長)、竹富町商工会(屋宜靖会長)は17日午後、町内物資輸送の滞留解消と貨物船輸送の運行確保を竹富町、㈲安栄観光などに要請した。組合代表らは「現行状態では(出荷ピークに)対処できない。第一次産業崩壊につながる」と窮状を訴えた。
両組合は連名の要請で「現在の貨物船運休状態が続いているのは町民の生活を脅かす事態になりかねない」と指摘。昨年西表島から出荷したパインアップル、マンゴーの出荷量は5月111㌧、6月172㌧、7月155㌧で6月にピークとなっており「例年通りの出荷を仮定すると現行状態では対処できないのは明白」とした。
地場産業の衰退だけでなくふるさと納税返礼品などにも影響が及ぶ可能性があることから「本町の発展への影響も計り知れない」とし、課題調査と解決措置の実施を町に求めた。
要請で訪れた組合員からは「放っておいても大丈夫な車などと違ってパインは待ってくれない。なるべく毎日運んでほしい」、「チャーター船を手配した場合、役場と農家負担が生じるのはおかしい」など要望が相次いだ。同組合の平井伯享事務局長は「パイン農家は5~7月の3カ月間しかほぼ収入がなくこの時期に出荷できないとなると完全にアウト。第一次産業崩壊につながる」と危機感をあらわにした。
商工会も要請で「約2年かけ育てたパインが制限や積み残しで輸送できず廃棄処分となる可能性が大きく、収入も大幅に低下することが懸念される」と指摘。屋宜会長は「船会社と連携をとって、前もって手だてするような組織も必要。根本的な問題を解決しなければならない」と述べた。
町はこれまで船会社2社に対し▽検査による欠航が重複しないよう取り組むこと▽長期欠航時は代替船を確保すること―などを要請している。政策推進課の小濵啓由課長は「代船確保など引き続き求めていく」と述べた。
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